はじめに
テレビや新聞、雑誌などで、「現代は変化が激しい時代だ」と伝えられています。
よく考えれば、
個人がパソコンを持ち始めたのが30年程前・・・
インターネットが普及した始めたのが20年程前・・・
スマホが出始めてのが10年程前・・・
今、当たり前のように使っているものは、ここ数十年で爆発的に広がりました。
そう考えると、10年後・・・
もしかすると数年後さえ、世の中がどのように変わっているかを予想することは難しいです。
今回、紹介する書籍は、この変化の激しい時代を生きていくヒントを与えてくれます。
本書の構成
第1章:人材をアップデートする6つのメガトレンド
1. 飽和するモノと枯渇する意味
2. 問題の希少化と正解のコモディティ化
3. クソ仕事の蔓延
4. 社会のVUCA化
5. スケールメリットの消失
6. 寿命の伸長と事業の短命化
21世紀の初頭で、世界が、そして価値基準が大きく変わりました。
価値基準が変化したので、当然ながら「優秀な人材の定義」も変わっています。
本章では、「優秀な人材の定義」に影響を与えている6つのメガトレンドについて説明してます。
著者と読者が同じ目線で、同じ方向を向いて話を進められるよう、はじめに1つ1つのメガトレンドについて丁寧に説明しています。
第2〜8章:ニュータイプの思考・行動様式
本章以降では、メガトレンドに対応するため思考・行動様式を7つのカテゴリに分けて紹介します。
[Key] 問題解決から課題設定へ
第3章:ニュータイプの競争戦略
[Key] 「役に立つ」から「意味がある」へ
第4章:ニュータイプの思考法
[Key] 論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ
第5章:ニュータイプのワークスタイル
[Key] ローモビリティからハイモビリティへ
第6章:ニュータイプのキャリア戦略
[Key] 予定調和から偶有性へ
第7章:ニュータイプの学習力
[Key] ストック型学習からフロー型学習へ
第8章:ニュータイプの組織マネージメント
[Key] 権力型マネージメントから対話型マネージメントへ
第2〜3章では、価値観の変化にフォーカスしています。
仕事が価値を提供して対価を得る行為である以上、求められる価値観は把握する必要があります。
著者は、インターネットが発達した現代では誰でも容易に「答え」を検索できる時代になったことに言及しています。
つまり、問題解決に対する価値が低下していると考えています。
第4章では、現代を表すキーワードであるVUCA(ブーカ)が対応するための思考法にフォーカスしています。
VUCAとは、Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性の頭文字を採った造語で、要するに「先行き不透明」というイメージです。
このような状況下では、論理的に組み上げた綿密な計画の価値が低下しています。
計画を立てた途端に状況が変わり、再計画が必要になるためです。
何を指針に行動すべきかを著者の考えが述べられています。
第5章では、個人と環境や個人と組織の関わり方にフォーカスしています。
ヒト・モノ・カネ、情報などの流動性が高まった現代では、このような区別こだわることはデメリットとなります。
具体的には、「自分と相手」、「所属部署と他部署」、「素人と専門家」などです。
著者は、必要に応じて柔軟に連携をとり、場合によっては自分が立場(所属部門など)を変えてしまう身軽さが必要と述べています。
第6〜7章では、VUCAに対応するために個人が取るべき行動にフォーカスしています。
「個人の成長」と「社会の変化」がほとんど変わらなくなっています。
今、この瞬間に学んでいることも、もしかしたら急激な速度で陳腐化するかもしれません。
その中で、個人はどのように知識/スキルを習得し、成長していく必要があるか?
著者の考えが述べられています。
第8章では、組織を率いる立場にフォーアスしています。
現状に対応するため、個人だけでなく組織も変わる必要があります。
組織とは、個人では達成できないコトを成し遂げるために作られた仕組みです。
しかし、組織が大きくなると変化に対応し難くなるデメリットもあります。
このデメリットとどのように立ち向かうかが、最終章で述べられています。
本書が伝えたいこと
時代の変化に伴って、重視されるモノも変化することは必然と言えます。
肉体労働が重視されていた時代から、産業革命によって知的労働が重視される時代に変化しました。
現代の技術革新によって、数十年前までは重視されるモノが価値を失い、別のモノが重視されるようになりました。
本書では、NEW TYPEとOLD TYPEと若干に皮肉を込めて対比させています。
もしかしたら、みなさんが「なんとなく感じていた変化」を、整理して読者に突き付けているのだと思います。
最後に
みなさんは、変化の激しい現代をどのように感じているのでしょうか?
先行き不透明で不安でしょうか?
それとも、新鮮なことを経験し続けられて楽しいでしょうか?
本書のスタンスは間違いなく後者(変化を楽しむ)です。
もし、変化に不安を感じているようでした本書を手に取って、楽しみに変えるキッカケにしてみてはいかがでしょうか?
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