はじめに
WEBでの合格体験記を見ると、「AWSアソシエイト3冠を1ヶ月で達成!」や「SAAを10日で合格!」など、魅力的なフレーズが並んでいます。
私もこのフレーズに惹かれ、2021年からAWS認定試験に挑戦し始めました。
その結果、アソシエイト3冠を達成できましたが、思っていたほどラクな道のりではありませんでした。
私は、学習期間:1年程(勉強が中断した期間を考慮)かかりました。
コード | 資格名 | 取得日 |
---|---|---|
CLF-C01 | Cloud Practitioner | 2022年1月8日 |
SAA-C02 | Solutions Architect – Associate | 2022年7月30日 |
SOA-C02 | SysOps Administrator – Associate | 2022年12月24日 |
DVA-C01 | Developer – Associate | 2023年2月23日 |
残念ながら、皆さんの目を惹くセンセーショナルな結果ではありません。
しかし、この期間を地道に勉強を続ければ、誰でもAWSアソシエイト3冠を達成できる確信しました。
今回は、「凄いの人の逸話」ではなく、「普通の人がAWSアソシエイト3冠を達成する方法」を説明します。
・AWSアソシエイトに合格する道筋
・勉強方法と期間(目安)
・勉強教材(参考書、問題集、Udemy講座)
「AWS認定の体系」と「アソシエイトのレベル」を確認
AWS認定は、技術スキルとクラウドの専門知識が備わっていることを証明する認定です。
この認定制度では、下図のようにレベルと領域に分けて管理されています。
この記事で目標としている「アソシエイトのレベル」は、次のように説明されています。
AWS の知識とスキルを証明し、AWS クラウドのプロフェッショナルとしての信頼性を構築するロールベースの認定です。クラウドおよび/または豊富なオンプレミスでの IT 経験があることが望ましいです。
https://aws.amazon.com/jp/certification/
そして、各アソシエイト資格の定義は、次のように説明されています。
SAA:Solutions Architect – Associate
AWS で分散システムを設計および実装する能力を検証するものです。SOA:SysOps Administrator – Associate
AWS でワークロードをデプロイ、管理、運用する能力を検証するものです。DVA:SysOps Administrator – Associate
https://aws.amazon.com/jp/certification/exams/
クラウドベースのアプリケーションで書き込みおよびデプロイを行う能力を検証するものです。
これを要約とすると、
・各領域(設計、運用、開発)に対して、知識だけではなく、実務遂行に活用できること
・実務遂行時は、AWSが推奨するベストプラクティスを取り入れられること
認定制度の詳細と試験の申し込みは、公式サイトをご参照ください。
どの資格から勉強するべきか?
パターン1:AWSを全く触ったことがない・・・
AWSの未経験者ならば、基礎資格である「CLF:クラウドプラクティショナー」を目指すべきです。
AWSには、クラウド独自の概念、独特なサービス名称など初心者が取っ付きにくいことが山ほどあります。
これを度外視してアソシエイト資格を目指すと、挫折する確率が非常に高まります。
「勉強時間がもったいない」「受験料がもったいない」という気持ちも理解できます。
しかし、目指すは1年かけたAWSアソシエイト資格制覇です。
その最初の数ヶ月を地盤固め(CLF合格)に使っても全体から見れば誤差ではないでしょうか?
パターン2:AWSに業務/自己学習で触れている
AWSの経験があっても、まずは「CLF:クラウドプラクティショナー」の取得を考えましょう。
AWSに関する基礎が固まっていないと、アソシエイト資格の学習に集中できません。
その結果、アソシエイト資格の勉強をしながらCLFの学習(基礎固め)をするチグハグな状態となります。
もし、CLFを余裕で受かる自信があるなら、アソシエイト資格を目指しても良いでしょう。
AWSアソシエイトの3資格で、特にこだわりがないならば「SAA:ソリューションアーキテクト アソシエイト」がオススメです。
SAAは、設計がテーマになっており、他アソシエイト資格に比べて広く浅くの知識が求められます。
イメージとしては、CLFの進化版なので勉強しやすいでしょう。
パターン3:AWSを業務でガンガン使っている!
このレベルであれば、自分の業務に合わせて受験するアソシエイト資格を選択します。
設計業務がメインなら、SAA:ソリューションアーキテクト アソシエイト
運用・保守業務がメインなら、SOA:SysOpsアドミニストレータ アソシエイト
開発業務がメインなら、DVA:デベロッパー アソシエイト
(補足)2つ目に挑むアソシエイト資格は?
結論は、「どれでも良い」です。
「1つ目に取得したアソシエイト資格と関連が深い〇〇を2つ目に目指す・・・」などは考えず、直感で決めてしまいましょう!
(所詮は、最後には全て合格するつもりです)
ただし、原則として2つ目に目指す資格を決めたらな変更してはいけません!
挫けそうになったら別の資格を勉強に切り替えるのは、全てが中途半端位になる悪い傾向です。
1度決めたことは変えるのは、「重要な理由ができた時」or「その勉強を諦める時」だけにしましょう。
(注意)ラボ試験問題
2023年2月時点で、SOAのみラボ試験問題が導入されています。
これは、AWS認定試験中に実際のAWSマネジメントコンソールを操作して、指定された設定を行う問題形式です。
AWSを操作したことがないままラボ試験問題に挑むのはリスクが高いので、後述するハンズオンを行うことをオススメします。
1つの資格あたりの学習期間は?
学習期間は1資格:3〜4ヶ月間を目標とします。
そして、CLFの受験有無に関わらず、アソシエイト3冠達成:1年間に設定しましょう!
この期間を設定した根拠は次の通りです。
<1資格:3〜4ヶ月間>
・参考書、問題集を2周読破する。
・ハンズオンで苦手領域の対策を行う。
・1回目の受験で不合格でも、1ヶ月以内に再チャレンジする。
<アソシエイト3冠達成:1年間>
・資格に合格するごとに、徐々に新たな学習事項が減っていく。
・CLFはアソシエイト資格への準備運動と割り切って、カウントから除外する。
ここで、一番重要なのは「最初から言い訳を作らない」、「“やる”と決めたら直向きに続ける」です。
効率の勉強法はありますが、残念ながら勉強量を極端に減らす方法は存在しないと思っています。
3つのポイントで勉強する
ポイント | 取り組み | 効果 |
---|---|---|
知識習得 | 参考書と問題集の読み込み | ・AWSのサービスを理解する ・試験の出題パターンに慣れる |
実践経験 (ハンズオン) | AWS無料利用枠の活用 | ・知識を補強する。 ・応用問題への対応力を上げる |
モチベーション 維持 | SNSで学習状況を発信 | ・他者の目線を意識して、 挫けないようにする |
知識習得:参考書と問題集の読み込み
試験対策といえば、参考書と問題集が一番に上がります。
参考書で大枠の知識をインプット、問題集で問題を解く力(試験で点数を獲得する)を強化します。
私が購入した中から、オススメの「参考書」と「問題集」を紹介します。
オススメの参考書
参考書は、メモやラインマーカーなどをつけて、能動的に学習できるように紙媒体で購入しています。
その中から、私が実際に購入して効果があったのはこちらです。
◆AWS認定資格試験テキスト
資格試験で必要とされる大まかな知識を得るのに向いており、とても取っ付きやすい参考書である。
しかし、この1冊のみでは不足気味に感じるため、足りない部分は問題集でカバーする。
◆徹底攻略 AWS認定
資格試験で必要とされる詳細な知識まで書いてあるため、この一冊を完璧に習得できれば、合格も夢ではないと思える。
しかし、情報が細かすぎて読み込むのに時間がかかりすぎるか、途中で挫折する危険がある。
まずは1周斜め読みして、問題集で弱点を見つけたらポイントを絞って読み込む「辞書」として扱うとと良い。
オススメの問題集
問題集は、スマホ・タブレットなどでいつでも学習できる媒体を選んで購入しました。
WEBサービス、電子書籍、スマホアプリなど様々なサービスが群雄割拠しています。
そのサービスを選んでも、通勤中、お店での待ち時間、散歩の休憩時間など隙間時間があれば1問でも解くを心掛けましょう!
私も含めて、一緒にAWS試験に挑戦した知人からも評判が良かったのが「Tech Stock」でした。
CLF+AWSアソシエイトの問題演習を「5,000円程度/90日」(2023年2月時点)で利用できます。
実践経験:AWS無料利用枠の活用
実際にAWSを自分の手で操作することは、座学では得にくい貴重な経験です。
嬉しいことに、AWSでは初学者向けに無料利用枠を設けています。
すべてのサービスが対象ではありませんが、代表的なサービスはだいたい利用できます。
しかし、AWSが無料利用枠を用意してくれていても、実際に利用するのはハードルが高いです。
それに、誤って高額な有料サービスを利用してしまうと、ビックリするような金額が請求されます。
そこで助けになるのが、Udemy:AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座です。
この講座は、AWSで(金額的に)個人が利用できるほぼ全てのレベルのサービスを動画で解説してくれます。
この講座は約50時間となるため、アソシエイト3冠を達成する頃に完了させる気持ちで取り組むと良いでしょう。
モチベーション維持:SNSで学習状況を発信
AWS認定アソシエイトの難易度が決して低くありません。
それを3つも合格するとなると、学習期間が長期化します。
この長い期間は、人のやる気を挫くのに十分な時間であり、モチベージョンの維持が課題になります。
自分で定めたスケジュールに従って粛々とこなせるならば問題あれません。
しかし、大抵の人は「もう十分頑張ったよね・・・」と離脱してしまいます。
この対策として、資格試験に取り組むときはTwitterを利用して学習状況を発信しています。誰も見ていないかもしれませんが自分で「勉強する!」と宣言してしまえば、できてないと恥ずかしくなります。
もちろん、勉強しなかった日も素直に発信しました。
そうすれば、カッコ悪いから次の日は必ず勉強しますよね。
最後に
この記事を最後まで読んでいただくと、AWSアソシエイト3冠を目指すことに躊躇してしまう方もいるでしょう。
私も「勉強期間は数ヶ月で十分です!」と伝えられたら、思い切って勉強を始める方が増えると思います。
しかし、その情報で勉強を始めてしまうと、数ヶ月後に勉強を諦めてしまう恐れがあります。
なぜなら「普通なら短期間での達成はムリ」だと気づいてしまうからです。
これでは、頑張って勉強していた本人が救われないです。
みなさんがAWSアソシエイト3冠を目指すための参考情報として、経験者の実体験を活用していただければ嬉しいです。
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