はじめに
人と関わり合いを持つならば、相手に何かを伝えるシュチュエーションは必ずあります。
特に、仕事であれば情報や指示を正しく伝え合う必要があります。
しかし、「いざ!相手に伝えよう」と自分が一生懸命に話しても、相手に伝わらないことがあります・・・
相手が「ポカーンとした顔」をしたり、率直に「何言ってるのか分からない」と言われたりします。
私も大学を卒業して社会人になったとき、よく上司や先輩に「お前が何を言ってるのか分からない」とよく一蹴されていました。
当時の私は、「私の話を理解しようとしてよ」と「(上司や先輩の)理解力が足りなんじゃないの?」など生意気なことを思っていました。
今なら「パワハラだ!」と言い返したりすのでしょうか?(笑)
そんな時に、今回紹介する書籍『「分かりやすい説明」の技術』に出会いました。
そして、私が「説明している」と思い込んでものが、「自分が伝えたいコトを好き勝手にしゃべっている」だけだと思いました。
それから、今に至るまで(およそ10年間)、この本のルールを基礎にして「相手に伝わる説明」を心がけています。
「説明」は一部の人に授けられた才能ではなく、練習すれば誰でも身につけられる技術です!
もし、「説明がうまく出来ない・・・」と悩まれている方がいましたら、ぜひこの本を読んでみてください!
本書の構成
第1章:「分かる」とはどういうことか
最初の章では、本書のテーマである「分かる」について、読者と基準を共有しています。
つまり、この章で説明する「分かる」状態を読者自身で作り出せるようになることが本書の目的です。
本書では「分かる」状態を次のように定義しています。
読者の理解を後押しするため、短期記憶を情報を仕分ける「脳内関所」、長期記憶を大量の引き出しがある「脳内整理棚」に喩えています。
つまり、雑然とした情報を大量に送りつけると、脳内関所(短期記憶)の処理が追いつかず、「分からない」状態になります。
(例えば、「自分の言いたいことだけをダラダラと話す」など、、、)
逆に、適切に処理された情報を、適切なスピードで送ることができれば、脳内関所(短期記憶)がスムーズに処理して、長期記憶に保管されます。
これが、「分かる」という状態になります。
「なるほど!情報の整理と伝えるスピードが大切なのか」と分かりました♪
ではどうしたらいいのでしょうか?
具体的な方法は、以降の章で紹介します。
第2〜3章:説明術(基礎編&応用編)
分かる状態にするための説明をするために、本書では15個のポイントを記載しています。
(ここで、全て書いてしまうと著作権的に怒られてしまうので・・・)
その概要に触れるだけにとどめますので、気になった方はぜひ本書を読んでみてください!
説明術の根幹は、「脳内関所(短期記憶)の負荷を減らしましょう!」となります。
次に記載するのは、その一例になります。
・情報は分割/整理して渡すことで、相手の脳内関所(短期記憶)の作業量を減らす。
・情報は相手の脳内関所(短期記憶)のペースに合わせた適切なスピードで渡す。
・キーワードやことわざなどを使い、相手の脳内関所(短期記憶)が長期記憶(脳内整理棚)に格納する手助けをする。
・・・などなど
第4章:「分かりやすい説明」のチェックポイント
第2〜3章で記載した15個のポイントと簡単な説明がまとめられています。
定期的に見返して、詳しく見直してたい時は第2〜3章を読み直す形で使うことができます。
本書が伝えていること
冒頭の繰り返しになりますが、「説明」は練習すれば誰でも身につけられる技術です。
そして、本書では「相手に理解してもらうことを意識する」を根幹に据えて技術を紹介しています。
考えてみれば当然ですが、説明の目的は「相手に分かってもらうこと」です。
それなのに、自分は何の準備もなく話すだけで、相手に内容を分かってもらえなければ「理解力がない」というのは、ズレているように思います。
本書に書いてある15個のポイントを実践すると、初めはかなり時間がかかります。
しかし、このポイントを実践する/しないでは、相手に説明した時の反応が違ってくると、自分の経験から確信しています。
最後に
最後まで読んでいただいた方には、「なぜ、話し手ばかりが努力しなきゃいけないんだ?」、「聞き手も理解する姿勢が必要だろう!」と疑問に思われている方いると思います。
この疑問は、「たしかにその通り」だと私も思います。
説明、すなわちコミュニケーションは、話し手と聞き手の共同作業です。
つまり、両方が努力することで成り立つのです。
今回、「話し手」に着目したのは3つの理由からです。
①説明の場合、話し手が「伝えたい/聞いて欲しい」がきっかけになることが多いから
②聞き手がどんなに頑張っても、話し手の説明が意味不明なら理解は困難だから
③「分かりやすい説明」を応用すれば、聞き手として「説明を理解する」スキルに繋がるから
このような、基礎スキルはあえて学ぶ機会はほとんどなかったと思います。
そのため、苦手な方はどうしたらいいか分からずに苦手意識を持っていたかもしれません。
しかし、逆に考えれば、いつでも学び直して伸ばせるチャンスがあると考えることができます!!
この気に、ぜひ本書でスキルアップしてみませんか?
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